「工場・倉庫 雨漏り放置の落とし穴!」では雨漏りを放置した場合のリスクを解説しました。今回はその続編、ということで、弊社が実際行なった施工事例をビフォーアフターの形で補修方法がわかるようにご覧いただきます。
工場や倉庫の管理をご担当される方々や、建物の設立や前回の屋根・外壁などの塗装から10年以上経過している施設の担当者様、オーナー様などに屋根の修繕・修理の最前線と、最善の方法がおわかりいただけると思います。
Contents
○約20年前の塗装が剥離した状態
○愛知県大口町/物流倉庫
○工事期間/約2週間(操業はノンストップ)
○屋根修繕 約200万円/400㎡
不幸中の幸いで倉庫内の荷物が濡れてしまった、などの惨事に至らず良かったです。
屋根の上に登ってみると、全体の塗装も経年劣化でこんなに剥がれていました。
元々ある屋根を耐久年数は海岸500m以遠で穴あきは25年、塗膜は15年とされる、丈夫でコストパフォーマンスに優れる「ガルバニウム鋼板」で覆う「カバー工法」で新たな屋根を造りました。
残念ながら採光できなくなりますが、鋼板の裏側には結露軽減、断熱性にも富むペフが貼り付けてあるため、冷暖房費も軽減できるので、従業員のみなさまの作業効率にも変化が現れると思います。
但し、ガルバニウム鋼板は、専門的な板金技術のある板金工しか施工できない建材ですので、腕の良い技術者がいると安心です。
自慢になりますが、弊社はもちろん板金技術にも自信があります!
○築30年。一度もメンテナンスなし
○愛知県清須市/部品製造工場
○工事期間/約1ヶ月(操業はノンストップ)
○屋根修繕 約400万円/800㎡
拡大して近づくと、なんとご覧のように屋根に穴が開いていました。
これは築30年もの間、一度も塗り替えや修繕を行なっていない経年劣化が進んでいた屋根に、何か固いモノが飛んで来たが、落下した、と想定されます。
そしてこの穴から雨漏りは起こりました。
実はカバー工法は廃材をできるだけ出さないためにも有効です。
アスベスト含有のスレート屋根もカバーすることで処分費の負担を減らすことができます。
アスベスト(石綿)含有の建材については、大気汚染防止法に基づいた石綿含有建材有無の事前調査結果を都道府県等に報告することが義務付けられています。
弊社は建築物石綿含有建材調査者に認定されています。報告、施工もおまかせいただけます。
(※当サイトのアスベストの記事もご参考ください)
○築10年で未塗装
○愛知県名古屋市/製造工場
○工事期間/約1週間(操業はノンストップ)
○屋根の塗り替え(遮断熱塗装) 約30万円/120㎡
工場や倉庫の屋根、外壁は、約10年に一度のペースで塗り替えるのが理想的ですが、その際にフックボルトも付け替えると良いでしょう。
さらに現在は写真のように、ボルトのサビ防止に耐熱、耐寒、そして美観にも優れたボルトキャップを取り付けています。
塗り替え塗料やこうした部品もどんどん進化しています。
屋根や外壁そのものを長持ちさせるためにも、遮断熱性、耐久性に優れた塗料での定期的な塗り替えと、ボルト交換などのメンテナンスを検討いただけると良いと思います。
○築20年で未塗装
○岐阜県岐阜市/食品加工工場
○工事期間/約1週間(操業はノンストップ)
○屋根修繕 約100万円/200㎡
屋根のみならず外壁など、建物の建材の接合部にはコーキングが使われているので、コーキングの劣化には注意しましょう。
また、雨漏りといえば屋根からポタポタ雨水が落ちるイメージですよね。
しかし、実際には天井にじんわりとシミができたり、天井から壁を伝う、ということもあります。
外壁の窓枠のコーキングが割れて、壁から雨漏りすることもあり、雨漏りは屋根のみならず、外壁からも起こります。
こちらもカバー工法で金属屋根材を張り、ダクトの接合部のコーキングを新たに打ち直しました。
コーキングの劣化には十分注意し、約10年に一回は打ち直すのが理想的です。
○築30年
○愛知県名古屋市/物流センター
○工事期間/約1週間(操業はノンストップ)
○棟修繕 約70万円/150m
通常は止面戸の手前にエプロンを設置して、雨漏りを最大限に防ぐのですが、この棟包みにはエプロンがありませんでした。
このように20〜30年前に建てられた工場や倉庫は、現在の気象状況を想定して建てられた建物、構造ではないことがあります。
近年急速化する温暖化で屋根や外壁は過酷な環境にさらされています。
建材の接合部に充填するコーキングの耐性は約10年とされますが、立地や建物の向きなど、さまざまな条件により耐性も変わります。定期的な点検を行い、状況に応じた補修を行うのが理想ですが、なかなか点検できない場所ですので、気づいた時にはかなり劣化が進んでしまっている、というのが現状です。
弊社ではドローンチェックを承っておりますのでご相談ください。
○防水シート施工から約20年
○愛知県名古屋市/事務所棟などの鉄筋コンクリートの建物の屋上
○工事期間/約2週間(操業はノンストップ)
○ウレタン塗膜防水 約100万円/100㎡
工場や倉庫がビルの場合、屋根は屋根勾配のない平屋根で、「陸屋根」と私たちは呼んでいます。
その防水工事には
の4種類があります。
こうなったら大ごとで、屋根や外壁を造り直すことになり、莫大な費用がかかることになります。
弊社ではこうした改修工事の場合、ウレタン塗膜防水を提案します。
右の写真は割れたシートをすべて剥がして撤去した後、下地の通気シートを張ります。
通気シートを張ることでコンクリート層から出る水分や湿気で表面のウレタン塗装膜が膨れるのを防ぎます。
2層目を塗り、最後にウレタン層を保護するためのトップコートを塗布して完了です。
そして、
こんな状態であれば、建物本体に悪影響が及んでいるのは間違いありません。早めの修理、修繕をおすすめします。
住宅や一般的な建築物の雨漏り修理と、工場や倉庫の雨漏り修理とでは、建物の構造の違いから専門知識が必要であり、技術も異なります。